健康増進に向けた取り組みについて
株式会社 KOKUSAI ELECTRICは、コーポレートスローガンを実現するために、従業員一人ひとりが心身両面で不安なく意欲と活力をもって働けるよう健康増進に向けさまざまな取り組みを推進し、パフォーマンス向上と持続的な発展・企業価値向上をめざしています。
健康経営宣言
KOKUSAI ELECTRICグループは、コーポレートスローガンである『技術と対話で未来をつくる』を実現するために、全ての事業活動において「安全と健康を守ることは全てに優先する」との不変の基本理念のもと、従業員一人ひとりが心身両面で不安なく意欲と活力をもって働ける職場づくりを推進するとともに、従業員とご家族の健康増進に積極的に取り組んでいくことを宣言します。
2023年7月28日
代表取締役 社長執行役員
金井 史幸
健康経営推進体制
当社では、健康経営を重要な経営課題のひとつと位置づけ、経営トップによる健康経営宣言のもと、人事総務担当執行役員を責任者として、「フィジカルヘルス」、「メンタルヘルス」、「働きがいのある職場環境づくり」などの課題解決に向けた取り組みをはじめとする健康経営を推進しています。
健康経営推進委員会では、健康施策に関する方針や取り組みについて定期的に協議し、経営会議やサステナビリティ委員会に報告しています。
また、健康保険組合や安全衛生委員会とも連携し、従業員の健康増進施策の状況(PDCA)を確認しながら、取り組みを推進しています。
健康経営戦略マップ
施策の取り組み
1. 目標指標
健康経営を推進するうえで健康関連の最終的な目標指標を下記に設定しています。
フィジカルヘルス、メンタルヘルス(心と体の健康)に関しては、コロナ禍より休業率が急増しており、早期発見・早期対応や健康維持・増進をめざし、各種取り組みにて強化を図っていきます。また、ワーク・エンゲイジメントのさらなる向上に向け、働きがい・満足度、貢献意識等のES向上に取り組んでいきます。
業務パフォーマンス | 実績値 | 目標値 | |||
---|---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
アブセンティーイズム(休業率)※1 | 0.41% | 0.29% | 0.81% | 0.96% | - |
内訳:メンタル 休業率 | 0.32% | 0.37% | 0.64% | 0.71% | 0.60% |
内訳:フィジカル 休業率 | 0.09% | 0.02% | 0.17% | 0.25% | - |
測定人数/回答率 | ※1 参照 | - | |||
プレゼンティーイズム※2 | - | - | 80% | 80% | 80%以上 |
測定人数/回答率 | - | - | 1086人/97.1% | 1121人/98.2% | - |
ワークエンゲイジメント※3 | - | - | 2.4点 | 2.4点 | 2.5点 |
測定人数/回答率 | - | - | 1082人/97.2% | 1115人/97.5% | - |
- ※1
-
休業率 = 疾病休業日数/所定労働日数×100 (休業実日数が連続7日以上) 毎月休業率を算出した平均値 2023年度末時点での従業員数は1164人
- ※2
-
独自サーベイで把握:普段の体調が良い時に達成できる仕事のパフォーマンスを100%とした場合、過去4週間の仕事のパフォーマンスを10%~100%で選択、回答が最も多かった数値を記載
- ※3
-
新職業性ストレス簡易調査票から得られるワークエンゲージメントの尺度で把握 最低1点から最大4点で高得点であるほどよい
2. フィジカルヘルス対策
生活習慣病リスク者への予防対策の強化
目標
従業員の健康を維持・増進するため、課題である生活習慣病リスク者の予防・低減に向け、「肥満率(40歳以上)」と「喫煙率」を重点目標として位置付け、目標達成に向け取り組んでいます。
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
肥満率(BMI25以上) 40歳以上 |
37.2% |
36% |
35.9% |
36.1% |
36% |
喫煙率 |
20.6% |
22.3% |
21.8% |
19.8% |
19.8% |
健康管理システムの活用
健康診断の予約や受診状況を管理職と共有し、受診フォローの徹底で受診率100%、再検査の受診勧奨や保健指導などにおいても分析機能を活用しながら予防対策の強化を実施しています。
健康教育
生活習慣病リスク者などに対し、リスク別栄養セミナーの実施や保健指導を実施し、目標達成に向けた取り組みを実施しています。
イベント
毎年定期的に「ベジタブルチェック」(体の野菜摂取レベルの確認と管理栄養士によるアドバイス)を実施しており、2023年度から新たに血管年齢チェックも実施しました。
また、事業所内の社員食堂ではヘルシーメニューの提供やさまざまなイベントを開催しており、今後も従業員のニーズに合わせイベントを開催し、食に対してのリテラシー向上に向け、取り組んでいます。
喫煙率の低下に向けた取り組み強化
喫煙が健康に与える影響は大きく、健康経営を推進していく中で、禁煙対策は社員全体の課題となっています。
禁煙に向けた対策として、産業医による禁煙教育の実施や禁煙サポートを実施していますが、新たに喫煙ルール・ロードマップの制定を行い、喫煙率の低減と敷地内全面禁煙を目標に取り組んでいます。
3. メンタルヘルス対策
目標
コロナ禍からメンタル休業率が上昇が続いており、早期発見・早期対応に向けた取り組みの強化を実施しています。
また、総合健康リスクに関してもさらなる向上に向け、取り組みを継続実施していきます。
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
メンタル 休業率※ |
0.32% |
0.37% |
0.64% |
0.71% |
0.6% |
総合健康リスク |
106 |
107 |
100 |
97 |
97 |
- ※
-
休業率 = 疾病休業日数/所定労働日数×100 (休業実日数が連続7日以上)
メンタル不調者の早期発見と早期対応に向けた取り組みを強化
ストレスチェック集団分析結果の活用
健康管理システムからストレスチェックを受検できる環境を整備することにより、受検率のアップにつながりました。
またストレスチェック集団分析結果から、職場環境改善対策として、各職場へ結果をフィードバックし、高ストレス職場に対しては、産業医による職場の状況ヒアリングと「アクションプラン」を立案・実行にて、職場環境改善に取り組んでいます。
メンタル不調者との産業医面談
メンタル不調者に対し、産業医(精神科専門医)・保健師・看護師が連携し、産業医面談を定期的に実施しています。また療養ハンドブックを活用し、休職者が不安なく療養・復職ができるよう支援しています。
相談窓口の強化
いつでも気軽に相談できる窓口として、社内相談窓口を設置し、保健師・看護師が随時対応・フォローを行っています。また女性の産業保健スタッフ(産業医・保健師・看護師)による健康相談窓口も設置し、不安なく働けるようサポートしています。
従業員とその家族へは、社外相談窓口を活用し、安心して働くことができるよう、相談体制の充実を図っています。
ラインケアの強化に向けた取り組みの実施
コロナ禍よりコミュニケーション不足からメンタル不調に陥ったと思われるケースが増加していることから、ラインケア強化として産業医(精神科産業医)によるラインケア研修を全管理職対象に2022年度から2023年度にかけて実施しました。少人数スタイルで対話しながら困っていることや疑問に思っていることを確認しながら実施しました。引き続き実践的なマネジメント強化につながるよう取り組んでいきます。
4. 働きやすい環境づくり、働き方改革
ワークライフバランスの推進
職場活性化
国内外のグループ会社を含めた従業員満足度調査の定期的な実施を通じてカテゴリ別の満足度を測定し、その結果をもとに各部署において改善のためのアクションプランを立案・実行し、また全社を通じて社員同士の対話の場づくりなど職場活性化のための取り組みを行っています。
病気療養と仕事の両立支援
業務遂行にあたっての不安がある方や、私傷病休職となった方に対しての治療と仕事の両立支援制度として、健康相談窓口の設置、通院・入院等のために使用できる積立年次有給休暇制度、長期休職補償制度や産業医との連携(定期的な面談)などを実施しています。
従業員の復職にあたっては産業医面談を行い、復職後も定期的な状況確認や支援を継続しています。
長期休職補償制度については、私傷病による休職期間は最大36ヶ月間と定めており、健康保険組合からの傷病手当金(給付期間:18ヶ月)に加え、会社から給付する療養見舞金の付加給付は最長36ヶ月の給付期間を設けています。
健康経営の取り組みに関する指標
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
---|---|---|---|---|
定期健康診断受診率 |
99.9% |
100.0% |
100.0% | 100.0% |
定期健康診断の有所見率 |
29.3% |
31.5% |
30.8% |
32.3% |
定期健康診断後の精密検査受診率 |
54.5% |
61.7% |
58.4% |
58.0% |
ハイリスク者との産業医面談実施率※1 |
100.0% |
100.0% |
100.0% |
100.0% |
肥満率(BMI25以上) 40歳以上 |
37.2% |
36.0% |
35.9% |
36.1% |
肥満率(BMI25以上) 39歳以下 |
20.8% |
22.6% |
20.9% |
20.0% |
喫煙率 |
20.6% |
22.3% |
21.9% |
19.8% |
運動習慣者比率 |
19.3% |
21.0% |
21.6% |
21.7% |
睡眠で休養がとれている人の割合 |
44.6% |
44.4% |
45.1% |
43.3% |
ストレスチェック受検率 |
91.4% |
92.5% |
97.2% |
97.5% |
ストレスチェック高ストレス者率 |
13.7% |
14.8% |
15.6% |
14.7% |
ストレスチェック 総合健康リスク |
106 |
107 |
100 |
97 |
平均勤続年数 |
20.95年 |
20.76年 |
20.22年 |
19年 |
時間外労働時間(H/月) |
25 |
26.4 |
23.6 |
20 |
年休取得日数(日/年) |
15.9 |
15.7 |
19 |
17.7 |
ES調査回答率 |
- |
89.9% |
94.6% |
96.1% |
- ※1
-
人間ドック学会の基準でD判定の者
意識変容・行動変容に関する指標(ヘルスリテラシー向上)
2023年度 施策 項目 |
参加状況 |
対象者 |
---|---|---|
健康アプリ利用率 |
17.5% |
全社員対象 |
ベジタブルチェック(3回/年) |
114人・115人・117人 |
希望者 |
血管年齢チェック(1回/年) |
115人 |
希望者 |
セルフケア研修 |
98.2% |
全社員対象 |
ラインケア研修※1 |
100% |
管理職対象 |
禁煙教育※2 |
63.3% | 喫煙者対象 |
栄養セミナー(高血圧)※3 |
79.0% |
対象者 |
栄養セミナー(糖尿病)※4 |
78.9% |
対象者 |
栄養セミナー(肥満)※5 |
78.0% |
対象者 |
女性の健康課題に関する教育 |
91.3% |
管理職対象 |
女性の健康課題に関する教育 |
96.2% |
女性対象 |
各施策に対する満足度※6 |
81.3% |
全社員対象 |
- ※1
-
2023年1月から2023年3月末の受講率
- ※2
-
2022年度喫煙者に対し、2023年度受講率
- ※3
-
2023年度の健診結果で、血圧:収縮期血圧が130以上または拡張期血圧が85以上の方対象た方
- ※4
-
2023年度の健診結果で、血糖値: 空腹時血糖100mg/dL以上またはHbA1c5.6%以上の方対象
- ※5
-
2022年度の健診結果でBMI 25以上の方対象と35歳未満の方対象
- ※6
-
「満足している」「やや満足している」「あまり満足していない」「不満である」のうち、「満足している」「やや満足している」に回答された方
施策に対する評価
健康アプリ利用率が伸び悩んでおり、保健指導の際に活用方法なども取り入れ、さらなる健康維持・増進に向けアピールしていきます。
ベジタブルチェックに関しては野菜不足を認識し、野菜摂取を意識的に取り入れた結果を定期的にチェックされる方が増えてきています。
引き続きヘルスリテラシーの向上に向け、継続していきます。
栄養セミナーに関しては肥満率の低減に向け、リスク別に教育を実施しました。コロナ禍以降在宅勤務も増え、運動不足や食事の取り方など、今後も継続して実施していきます。
女性の健康課題に関しては、女性社員と管理職対象にそれぞれテーマごとに受講、アンケート調査も実施し、女性社員や管理職の生の声を受け止め、対策を検討し、課題に取り組んでいきます。
健康経営の個別施策に対する投資額
2023年度 | 内訳 |
---|---|
約1166万円 | 健康管理システム費用 |
ストレスチェック関連費用 | 健康アプリ費用 | 教育関係費用 | 社外EAP委託費用 等 |